中宮寺旧伽藍跡(斑鳩町、現在の寺の位置から約400 m離れている)で行われた発掘調査の出土品の中に、瓦片に有名な短歌の一部が刻まれたものが含まれていることが判明しました。この瓦は2010年度の発掘調査で出土していましたが、出土物を整理して最近になって確認されたものです。
文字は「難波津に咲くやこの花冬ごもり今は春べと咲くやこの花」という「難波津の歌」(古今集)を、万葉仮名で表記したものの一部と断定されました。瓦を焼く前の土にへらのような物で刻まれており、「職人が万葉仮名の手習いをしたのではないか」という見方もされていますが、「単なる練習ではなく、火よけといった呪術的な願いを込めたのではないか」という指摘もあります。
(2013年5月28日 読売新聞・奈良)
2013年5月28日 奈良新聞
2013/05/27 19:38 【共同通信】
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