東大寺(奈良市)では三昧堂(四月堂)の堂内改修工事を行うため2013年5月21日から拝観停止しています。
本尊の千手観音立像(重文、平安時代)も同時に保存修理事業を行います。修理完成後の本年10月からは、東大寺ミュージアムの本尊として、法華堂から移動した日光・月光両菩薩とともに安置するとのことです。この千手観音像はすくなくとも明治36年には三昧堂に安置されていた記録が残っていますが、像高が高いため堂の天井の一部を切り取って安置されていました。
本年9月下旬に予定される三昧堂の拝観再開後は、ひとまわり小さい十一面観音立像(重文、平安時代)を新たな本尊としてまつることになります。この十一面観音像はもともと他の寺にあったもので、明治時代になって東大寺に移され約60年前までは二月堂に安置していましたが、現在は収蔵庫に保管されているとのことです。
東大寺ミュージアムは収蔵品を守るため、展示室全体が最新の免震設備を備えた作りになっていますが、寺の一部でもあり仏堂の一つとして位置づけられています。
東大寺によると、今回の配置は像の大きさや来歴を考慮して決定したとのことです。
2013年5月21日 奈良新聞
毎日新聞(奈良) 2013年05月23日
問合先: 東大寺 TEL: 0742-22-5511
【筆者注】
公開後、一部文章を修正し、毎日新聞の記事を参照先に加えました。
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