世界遺産・春日山原始林(奈良市)で、深刻化している鹿の食害や外来種の侵入への対策を研究する目的で設置した植生保護柵が、シイやカシなどの常緑広葉樹の枯死率軽減に効果のあることが確認されました。
柵内では、柵外と比べ1年間で1割近く枯死率が改善したことが分かり、原始林で柵の効果が証明されたのは初めてとのことです。
「世界遺産 春日山原始林?照葉樹林とシカをめぐる生態と文化」(前迫ゆり大阪産業大大学院教授 編・ナカニシヤ出版)で明らかにされました。
本はA5判292ページで、税別2500円。前迫教授のほか、奈良教育大の鳥居春己教授ら森林の生態や文化に詳しい16人が、原始林の歴史と、変化しつつある現状をテーマに原稿を寄せています。
毎日新聞(奈良) 2013年05月12日
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