奈良市は、新年度予算に奈良町の井戸について本格的な調査を始めるための費用を計上しています。
付近に河川がなかった地域では、春日山の伏流水をくみ上げて生活用水などに使用していたため、井戸が多く掘られていました。井戸が豊富にあった名残は、「椿井町」「樽井町」といった一帯の町名にも現れているといわれます。
計画では、地元の住民らを対象にアンケートや聞き取りを行って井戸の数や井戸にまつわる伝承の確認や水質検査などを行うとのことです。
2013年3月20日 読売新聞
【筆者注】
本事業の対象となる「奈良町」はいわゆる「ならまち」とよばれている地区だけでなく、大宮通り以北の「きたまち」とよばれている地域なども含むとの情報がありました。
近年大震災などで水道が使えなくなった時の応急用としても井戸の役割が再認識されており、水質についての情報を得ておき、特に飲用可能な井戸を把握しておくことは、その意味でも有意義と思われます。また、調査によって日頃使われていない井戸の来歴やそれにまつわる伝承が明らかになれば、不要になったからといって埋められてしまうことを避けられる可能性もあります。
市の思惑通り、この事業がきっかけとなって地域全体の観光振興に寄与することを期待します。
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「奈良町の井戸調査」への2件の返信
こんばんは。
奈良は遅いですね、大阪市内など早くから災害時に役に立つと調査をしていたと聞いています。
現代社会をあざ笑うがごとく最後に勝つのはアナログ社会です。そして人との繋がりです。
私はそォ思います。
白雪さん、コメントありがとうございました。
今回の市の事業計画をみても「防災」の観点からの事業は感じられませんでした。
大きな災害がある度に井戸の重要性が注目されていますから、歴史発掘や観光振興と防災をうまく絡められると良いのですが。