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木造建造物の保存再考 -ユネスコ国際会議

ユネスコ・アジア文化センター(ACCU)や文化庁などが毎年開く文化遺産に関わる国際会議の一環として「木造建造物の保存理念を再考する―修理手法と保存の理念」が、2013年12月18日県新公会堂(奈良市)で開かれ、木造の文化遺産を持つ8カ国約40人の研究者が参加しましたた。
この会議は、来年が文化遺産の多様性を掲げた「奈良ドキュメント」の採択から20周年を迎えるのを記念して企画されたものです。
2013年12月19日 奈良新聞
筆者注: 日本などで伝統的に行われている、痛んだ部材を新たに作った物と交換しながら木造建築物を長く使い続ける手法が、西洋では「文化財の現状保持」の精神にそぐわないという理解をされている場合があるようです。
同じ部材を長く使い続けることが出来る石造建築物などと異なり、木材は経年による湾曲、あるいは腐食や虫害等で同じ部材を使い続けることが困難な場合が多々あります。そのような場合に、建物が作られた時の技法になるべく近い方法で同様の部材を作り交換する手法が伝統的に受け継がれています。これが文化財保護の精神に反する物ではないことについて、多くの人に十分に理解を深める必要があると感じます。
報道からは会議の議論の内容は不明ですが、この会議を機会に木造建築の保存についての理解が広まることを望みます。