奈良文化財研究所(奈良市)は2014年3月6日、平城宮跡(奈良市)で、正月の儀式などに使う奈良時代後半の旗ざおの支柱跡が見つかったことを発表しました。
見つかったのは称徳天皇の宮殿「西宮」の遺構で、僧・道鏡が、大臣らから正月のあいさつを受けたときに立てられた旗ざおの可能性があるとみられ、古代の宮廷儀礼の様子を知る貴重な成果と考えられています。
過去の調査で見つかったものを含めると、各列に穴が7個並ぶことが判明しました。平安時代の法典「延喜式」によると、元日朝賀には「烏形(うぎょう)像」「日像」「月像」など計7本の旗を二丈(約6メートル)間隔で立てると定めており、旗の数や間隔が調査成果と一致します。
奈良文化財研究所によると「平城宮の西宮での旗ざおを立てた儀式が、考古学的に証明されたのは初めて。古代の儀式の様子を知る貴重な成果」とのことです。
現地説明会は3月8日に実施されました。
2014年3月7日 奈良新聞